旅に適した自転車を考える2
前回いろいろ書いたが、結論として
国内→なんでも良い。その自転車に適した旅の仕方が選べます。
海外→一般に
26インチHEのタイヤの方が良いよ
(MTB規格の方が在庫を置いてある確率が高まるから)、
タイヤはシュワルベのマラソンが良いよ
(耐久性、サイドウォール丈夫、耐パンク性、転がり良、グリップ良)
クロモリの方が良いよ(振動吸収もそこそこ、万一補修がきく)、
各種バックを固定するキャリアはtubus(チューブス)が良いよ
(チューブス‥ドイツのキャリア専門ブランド→こわれにくい)
バックは、オルトリーブが良いよ
(完全防水、丈夫、取り外しが簡単)
結果、サーリーのロングホイールトラッカーの自転車が良いよ
(少し悪路、バイクパッキングなら同じサーリーのトロール)
と言われています。
ロングホイールトラッカー
私は懐古趣味と人と同じものが嫌いで、一昔前のランドナーにしました。
せっかく日本製(アラヤ)のランドナーなのだからと‥
タイヤ‥パナレーサー タイヤ パセラ 26x1.50(日本製)
最初の装着タイヤのまま‥結果ダートで転倒してサイドウォールが裂けました。
パナレーサー タイヤが悪いというわけでなく、街中用タイヤの性能だ 、
とわかっていたのにヨーロッパの道路を甘く見ていた自分の責任‥
キャリア‥前→NITTO(日東) キャンピー フロント26用
後ろ→TOPEAK(トピーク) の安いキャリア
外国では折れると噂のNITTO製だったが期間が短いためか異常なしだった
後ろは頑丈さとコスパで直前で購入装着だった。最低でもパニアバックを
装着すべきだった。重量のバランスが悪くなった。後ろまで日東だとバッ
クと合わせると高価過ぎると躊躇してしまった。
バック‥オーストリッチ / DLX サイドバッグ、
オーストリッチ F-104 フロントバッグ
ヨーロッパ各国のいろいろな自転車店に入ったが売っているバックは、
ほとんど全てオルトリーブだった。日本製のオーストリッチは荷物を適当に入れてもよく利点もあった。
雨は適当な防水カバー(ザックなどの雨カバー)で防いだ。難点は取り外しが
面倒な事。この一点だけはオルトリーブ製が良いと感じた。
いろいろと勉強になりました。
その他旅に適したタイヤ(ある程度の重装備で多種な路面状況に適したタイヤ)
について
タイヤの規格はいろいろあって面倒。主なタイヤサイズをETRTO値で表してみた。
海外を走るサイクリストはタイヤの太さが45ミリから50ミリくらいが平均だと言われています。
= タイヤの太さミリ ✕ リム外径ミリ(ETRTO値)
26✕1.5=38✕559 スワローランドナー
26✕1.75=45✕559 26インチMTB
26✕2.0=50✕559
27.5✕2.8=70✕584
27.5✕2.0=50✕584
700✕23C=23✕622 ロードバイク
700✕28C=28✕622
29✕1.75=45✕622 29インチMTB、アドベンチャーバイク
29✕2.0=50✕622
29✕2.2=56✕622
※タイヤ幅100ミリ~130ミリ→ファットバイクも出てきた
ギア比
スワローランドナー 前48✕38✕28 後11✕25T (ギア比1.12ー4.36)
走ってみて重いギアはそれほど使わなかった。逆に軽いギアは足りなく感じた。
ギアが前3段で変速レバーがダウンチューブにあるのは、貧脚になった今は
危険度が増す。ヨーロッパの田舎道では勾配が突然、急になるときがあった。
重装備で失速、ギア変速が咄嗟にできず落車するときがあった。
ちなみにサーリーのロングホイールトラッカーのギアは26✕32T(0.81)から
48✕11T(4.36)
今の自分には上はそういらないので、軽いギアと操作性の簡易さで前が一段の方が
メリットがあるのでは‥と感じている。
ブレーキ
カンチブレーキだと、どうしても雨の下りではスピードも出せず緊張して疲れが増大
する。ディスクブレーキだと天候にかかわらず少ない力で効きもよく良いのではない
かとは感じる。しかし輪行のときにローターのゆがみ等リスクも
増えるのではないかと感じる。リスク減の経験を積めば良いとも思うが‥。
その他
フロントサイドバックを二つ装着すると、意外と横幅をとる。いつもの調子で道路端
によるとサイドバックが堤防等にぶつかり、危うく落車しそうになった。バイクパッキングで工夫しても良いかもしれない。
国内の過去のサイクリング
11年ほど前の、自転車に復活した当時。礼文島フェリーの前で。ロードレースをやり
はじめて、ステムを長くしたり、コンパクトクランクからノーマルにしたり、ホイールをイーストンに、サドルを軽量のセライタリアしたり等々、気がついたらフレーム以外は交換していた。フレームはアルミ。フォークと後ろスティがカーボン。
(今一台だけ買うとしたら、シマノ105装備のアルミロードだと思う。15万円からあ り一番後悔しないと思う。アルミをかたいと感じず普通に乗れるようになるとペダリングがうまいとわかりやすい。耐久性もある。普段使いでも使える値段。競技をやるにも性能は一昔前のカーボンよりも良く、十分に今のカーボンとも競える。)
遊び心で、本格的競技用の自転車でサイクリング。札幌から斜里町までバス輪行。
斜里町ー知床ー根室ー阿寒湖ー帯広ー狩勝峠ー札幌 840キロほどを4日間で走った。(一泊は無人駅で。二泊はホテルで) 軽装備なら十分に走ることができる。
奥尻島で、夫婦でキャンピング。かみさんのロードは自動車に載せ、島に渡ってから
一周サイクリング70キロ。私は気の向くままの自転車走。ランドナーは国内だと十分にキャンピングができる。
千歳空港から中標津空港(飛行機)、空港から北海道を代表するロングトレイルである北根室ランチウェイ(71キロ)を3日間かけて歩く。弟子屈町から札幌まで上記の
小径車でサイクリング。あらかじめ弟子屈町の宿まで宅急便で自転車を送っていた。折りたたみ車だったので、1000円少しの送料だったと思う。(弟子屈町から札幌までの
経路で途中少し輪行をした)
小径車は、輪行も簡単で他の活動とも相性が良いように感じた。
旅に適した自転車を考える ヨーロッパでびっくり^^;
上の記事にも書いてきたが、一昔前のランドナーに憧れがあった
私は、ヨーロッパほど道路が整備されている国々ならばランドナーでも
容易に走破できるだろうと、半分たかをくくっていました。
日本のサイクリングの大会で、舗装路ばかりをコースにしておかしいの
ではないかと、コースのなかに数百メートルの未舗装路を入れましたが
逆に文句がでて辟易としたことがありました。北海道なんてまだダートが残って
いるのだから、そこでしかできない体験だってあるのではないかという思いでした。
(そこをはじめて通ったときは鹿が出てきました)
その私でさえ、今回のヨーロッパのサイクリングロードを走り、
『ちょっと、これひどいダートじゃない?自転車の走るところじゃないよー』
と心のなかでブーブー。やはり固定観念っておそろしいですね。
自転車は舗装路を走るものだという固定観念で今回しっぺ返しをくらいました。
長期の自転車旅行の場合は自然と荷物が多くなります。
その中で、ダートのドロップハンドルがどのように走りづらいかを嫌というほど
味わいました。正確には肩幅しかないバーでは、ダートのときに満足に押さえ
がききません。またタイヤボリュームが全く足りません。
(今回の自転車スワローランドナー→
タイヤ26✕1.5→ミリ換算38ミリ太さ✕559ミリ径)
この重量と荷物のバランスの悪さもありましたが、ダートを走ってみて、やはり普通
に走るためには最低でも26✕1.75→ミリ換算で45ミリはほしいところです。
あるとき、ハンドルがとられ転倒し、タイヤをバーストしてしまいました。(^_^;)
これらの道は、その国を代表する自転車道路です。(フランスのサイクリング
ロードが少ないのに嫌気がさし、ドイツ・オランダの有名なライン川サイクリン
グロードとベルギーのサイクリングロードを走りました)
あちらの国々では、やはり自転車は自然に親しむものとして、日本でいう
ハイキングをするような道をサイクリングロードとして開放しています。
例えば同じドイツでも行政区が違えば、ある行政区はほぼ100%ダート。
違う行政区はほとんど舗装と‥。場所によってマチマチ。たぶんサイクリング
ロードに対する認識が違うのでしょう。自転車をエコとして、なるべく自然を
害さないような道路行政をする地区と、完全に公園化し舗装路にする行政区と。
どちらもライン川サイクリングロードとして連結していますから、外国から来て
情報が少ない私は戸惑いました。(パリの書店をめぐりライン川サイクリング
ロードの解説地図を探しだし買いましたが、ほとんど役に立たず‥でした)
舗装している場所ではドロップハンドルで競技の練習をしている姿も多くみかけました。その地区だけは、ドロップハンドルのロードバイクが走っていて、ダートではほとんどロードは皆無でした。
それと、ドイツでは電動自転車も多く普及していました。およそ半分に近いのでは
ないかなと思える地域もありました。
また印象的だったのは、家族で自転車を楽しんでいる姿が多くみられた事。
お父さん、お母さん、お子さんの三者で走っていることが多かったです。
このように自分の固定観念に気がつき、ニヤニヤとすることも
特に歳をとってくると貴重で、楽しいです。
私の夢は南米を走ることなので、これではとてもやっていけない‥と
感じて、調べてみたら、『バイクパッキング』という方法があるとわかりました。
なるほど‥ だからその概念が出てきたのだなあと納得がいきました。
日本では何かそれ専用のバックを買ったらバイクパッキングだと誤解されていますが、
要点の肝は、荷物を今までのように左右や前後に分散するのではなく、フレームの
芯に近づけ、フレーム真ん中の三角形になるべく重いものをパッキングしようとい
う考えだと思います。
そうすることにより特にダートなどで自転車の性能をフルに近く発揮させ楽しもう
ということだと‥。
『そのとおり!』とその必要性を嫌というほど感じた旅でした。
また日本のように舗装路が多く、コンビニが多くあるため大量の食料も搭載しなく
ても良く、ロードバイク中心のサイクリングでは、バイクパッキングの誤解から
逆にサドルバックばかりが大型になり重量のバランスを崩しロードバイクの性能を
落としているケースもあると思います。日本ではキャンプをしないならば、というか
日本ではキャンプがしにくい。その結果自炊用具、食料、テント持参でない旅の方が
今は現実的。日本にサイクリングに来たフランス人のアランたちもテント持参でなく、
朝5時ごろから走り出し、午後3時過ぎには農家などの民家で物置などに泊まらせて
くれないかと交渉していたよう。(北海道では‥)
そういう場合は、700×23Cから太くても32Cくらいの自転車で十分だと思います。
そのときは荷を軽量にし分散する方がバイクパッキングの概念にかなっていると思います。(700×23C~32C → 23ミリ✕622径~32ミリ✕622径)
外国のバイクパッキング‥軽装備がバイクパッキングであるという考えで始まったわけでないことがわかる。ダートをより楽しく走りたい→振動で壊れやすいキャリアフレームを使わないで自転車に直接バックをくくりつける。より自転車本来の性能を引き出すために重量バランスを考える。それがバイクパッキング。
この写真からもわかるように、
荷物が全てタイヤの真ん中より内側にある。重いものがフレームの三角の中にある。またはタイヤの中心にある。(水など) 比較的地面から高いところのバックであるハンドル下バックとサドルバックに衣類、マット、テントなど軽いもの。前と後ろのバックの重量はなるべく等重量に。よく考えられていると思う。
6年前の本州旅行です(羽田ー横須賀ー箱根ー沼津ー静岡)
ホテル泊だったらこれぐらいの荷物でも大丈夫。
(輪行袋は飛行機を降りてから最終日のホテルに送っています。OS-500です。)
同じ年に行った台湾一周も同じ自転車と装備で走っています。台湾は舗装路で日本と
同じくらいコンビニがあるので、この装備で十分でした。(OS-500を最初のホテル
に預かってもらっていました)フロントバックは余裕があり軽量にしていました。
旅ではなく長距離サイクリングのときは(高校生のときにフロントバックが重くてハンドルがとられた記憶から笑)フロントバックなしで走行することも普通でした。それでも重量バランスが気にならないほどサドルバックは軽量でした。工具等重量のあるものは、ボトル横のツールボトルに入れていました。
ロードバイク(700✕23C~25C)だったらこれぐらいが性能を損ねないと自分的には思います。
日本でキャンプがやりにくいという理由ですが‥
世界一周の旅行記を読んでもわかりますが、普通に人目につかない所で自己責任でテントを張っています。私がヨーロッパ走で話をした人も持参の地図を広げて、緑色をした所を指さして森で寝るのだと言っていました。日本では法律上問題ないのはキャンプ場でのテント泊でその他はグレーゾーンで精神衛生上よくありません。一番はソロや少人数のテント泊なんてお金がないからやっているのだろう、かわいそうという日本の偏見が問題だとは思いますが‥。
また日本のキャンプ場は、ソロキャンプや自転車キャンプ用のスペースがなかったり狭かったりして、早朝スタートが多い自転車組と他の方と夜、朝の時間帯が合わず、お互いに騒音などのストレスになりやすいです。料金的にも別になっていないキャンプ場も多いです。等‥
もちろん経済的な問題や、走り重視よりも経験重視で、キャンプをしながら日本一周をする方もいます。
そういう方は、今はタイヤ32Cぐらいの太さのクロスバイクでキャンプ道具まで積んでいる方が多い傾向があるそうです。(若い方から聞いた話では)
国内ならば舗装路がほとんどでしょうから。例えば、今はランドナーではなく、32Cくらいのクロスバイクで走る大学サイクリング部の若者が多いのかな。
なぜランドナーやMTBでなくてクロスバイクなの?と大学生に聞いたら、第一に安いから、第二に先輩からの伝統という応えでした。あまり疑問に感じていなくて、私からみると本当の理由は、自転車をいじることが好きというよりも旅が好きで自転車にはそうごだわっていないということでしょうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回のヨーロッパの写真です。↓
今回の装備。今回はツーリング(キャンプ用品やある程度の食料、水を持ち運ばなくてはいけない)のため、日本製ランドナーを選択。(アラヤのスワローランドナー)
後ろは高い所にだけ荷物がある。前は下の方に荷物があるのは良いが
左右のバランスが難しい。全体的にバランスが悪い。
(後ろの荷物を後ろサイドバックやパニアバックに振り分けてバランスを少し改善し軽いギアを一枚たせば舗装路が多い日本でのキャンピングには十分に対応できる)
ヨーロッパのダートにとってはタイヤが細い。太いタイヤを履くと泥除けをはずさないといけない。
タイヤのミリ換算で38ミリが標準。その上の45ミリは泥除けをはず
さないとダメ‥です。(国産メーカー製のツーリング自転車はタイヤ太さが38ミリが限界でしょう。それ以上の太さは国内で走る分には需要がなかなか‥と推測されます。
国内は舗装路が多く、キャンプ用品等の重装備で走る人は極端に少なくなってきてますから‥。それでも38ミリはクロスや最近流行りのグラベルロードと比べれば太い方です。)
また世界で最も流通している26インチ規格のタイヤという点は強みでした。
(今回ダートで転倒し、前輪がバーストした後にドイツの自転車店に行って
45ミリのタイヤしかないと言われたが、何とか38ミリないかと懇願。後ろの倉庫から
調べてくれて1本あり泥除けをはずさなくても良く助かりました)
軽いギアが不足している。前が三段でギア変速が忙しすぎる。 ‥かな。
でもこの形は気に入っているんです‥(固定観念‥笑)
あちらの長距離旅行者は、ドロップではない自転車がほとんどです。メジャーなのは
上の写真のようなバタフライハンドルかフラットバーかな。
ちなみに自転車旅行者は後ろのような形のテントを張っている方が多かったです。
日本では自立式のテントが良いとされていて選択肢に入らない形のテントですが、それも固定観念かもしれませんね。
こんなパターンも普通でした
よく見たら、電動自転車の集まりです
汽車にも普通に乗せます。家族で4台入ってきました。私も協力してパズルのように
場所決めしました。
ドイツの街中ではこんな自転車も。子どもや荷物を乗せたりします。このサイクルショップのオリジナルです。
家族で自転車キャンプでした
珍しいスーリー(日本では自動車キャリアで有名)の自転車キャリア
ドロップハンドルでタイヤの細さでキャンプをされていました。ヨーロッパでは珍しいケースでした。
街中を行き来する自転車。ヨーロッパでは前カゴではなく、このような後ろバックが
メジャーでした。
カップルの方が気になります
こんなダートはかわいい方
写真ではわからないのが残念。石が大きすぎて前に進みません。
どこを走ったら良いか迷いました
比較的走りやすい道。慣れてくると、この道の方が良い道に見える。
ダートと同じくらいこわい石畳の道
写真ではわかりませんが、時速10キロも出ません
今回の最悪の道。車も人もいっさい通らない。虫が口の中に飛びこんでくる。自転車の
ハンドルに木や草があたる。苦労していると、突然視界が開け、白鳥がいる沼へ。
コロリとすばらしい!と感動する。そういう道だからこそ、自然も残っているのですね。